漫画にも小説と同じくらい内容の濃いものがあるとかいっちゃうと芥川賞の選考してるような人達に激しく突っ込まれてしまう。でもつげ義春の赤い花とかの短編には小説と同じように「雰囲気」を持っているし、手塚治虫の「奇子」のような歴史的でなんだか凄いものもあった(という記憶)。小説って読んでいて感じる雰囲気が良くて、それは多分作家の文章からくるものなんだろうけど、だから海外の翻訳ものだと全くそのことは伝わらない。ストーリーはわかるけどきっとその国の人だけにしか取り難いものはあると思う。

 文学の賞ってちゃんとしたものが選ばれている唯一の賞かもしれない。極端な話、日本で音楽の賞だと年末のレコード大賞とかどういう選考がされいるのかわからない。もう売り上げランキング1位が受賞するようにしたらいいのに、カウントダウンテレビで1位が受賞とか。映画、日本アカデミー賞もわからない、「バトルロワイヤル」とか「GO」が受賞して 青山真治の「ユリイカ」は無視、親子俳優が絡んだりして話題作ったり。本物のアカデミーやカンヌとかの受賞作は作品見てみるとやっぱり良いものが選ばれてる気がする、グラミーは微妙。
 そんな中で今年の芥川賞で史上最年少の二十歳と十九歳の小説が選ばれた。で、文藝春秋に2作品が掲載されているらしく買って読んでみました。普通に2つとも面白かったです。2つに共通して思ったのがセンス重視/漫画っぽいてゆうことでした。なんか読んでいるとき2つともどんな絵か浮かぶようだった。不良に優しい「蛇にピアス」は全体にペンが太くて黒が多いラフでやる気なさげだけど上手くてスタイリッシュな漫画;松本大洋が絵でストーリーが岡崎京子 古屋兎丸 魚喃キリコみたいな。オタクに優しい「蹴りたい背中」は白くて綺麗に描かれるような感じ;山下和美 南Q太が絵でストーリーが山口綾子みたいな。本当にそういった人達のセンスを感じたのだけどどうなのだろう。「蛇にピアス」の良いところはシバさんという彫師(刺青というとヤクザっぽいしタトゥーというとロシアだし言葉的に選べなくなったな)にあんまりサイコな感じを受けないところ、これで大げさな感じが消えて小説っぽくなってると思う。ただ、この作品にはそういう「描ききれない」部分が多くてそれが作者の技量によるものなのかわざとそうしたのかがわからなかった。ラストの墨を追加する部分も、これで芥川賞?と思ってしまった。あと、THE骨〜ってゆう表現はサムかった、あとチン子は笑っちゃった。
もしかするとこの作家は今後ものすごく苦労するかもしれない。「蹴りたい背中」の作家はそれに比べて将来が明るい、2作目だし(1作目のタイトルはインストールらしい、これは恥ずかしい、絶対のちのち後悔する)間違いなく自分のセンスでこれからも書き続けていって、沢山の読者を楽しませていくと思う、自分は読まんが。この2作品を芥川龍之介が読んだらどう思うか、知ったこっちゃない。

 山本直樹の「ありがとう」について書くことがなくなってきました。いま手元にないので下手なことかけません。この本は全く小説という部分にかすりもしない純粋な漫画で内容の濃い作品だと思います。鉄腕アトムやドラえもんは全く小説とかすらないでしょ。テーマは家族です、あと山本直樹は森山塔という別名でエロ漫画を描いています、そのことを忘れないで1巻を読み始めてください。