tool  2002.04.10 akasaka blitz


1.The Grudge 2.Stinkfist 3.Forty Six & 2 4.Parabola 5.Schism 6.Disposition 7.Reflection Parabol/Parabola(PV) 8.Triad 9.Aenema 10.Lateralis

 2階席が取れなかったのは残念だったけど、取りあえず上手いロックの演奏が久しぶりに聞けるかもしれないので良かった。toolはライブを公開しないので会場かブートで見る以外に方法がない。2001年のフジロックでの初来日で知名度をかなり上げたからか、赤坂ブリッツ(取壊し決定)はいっぱいだった。tool は90年代の始めから活動しているアメリカのヘビーロックバンドで、レイジアゲインストザマシンの1stに少し参加していたから、グランジ直前位の時代からいたんだと思う。インダトリアルバンドの持つような退廃、変拍子と10分を超える長尺の曲を多発することや米ツアーの前座がキングクリムゾンだったのもあり、プログレッシブロックっぽさを持ち、近年のもんではドリームシアターとかと比較されることがある。しかし、アルバムを出すごとに全米一位(ジャンクロードヴァンダム)になるほど人気があるのが面白い点。興味を持った方は2nd「aenima」から聞くと入りやすい。最初はなかなか吸収できないものがあるけど、消化できれば良い作品です。
 暗転してから巨大な円形に並べられた目(上絵参照)が揺れ出してキンキンと発音し始めた。長い、10分位ミンミンいってやがる。しかし、真剣にボーっとみてると本当に頭をやられそうになる。自分はその発音の中に日本の祭りの笛の音を混ぜてるような気がして、面白いアイデアだなぁとか思ったが、考えすぎと思う。その音と映像の中、妙なことしてる割にはフツーにtoolの奴らがゾロゾロとでてきた。最新作「lateralus」の1曲目のイントロ(5拍?10?)が始まった。このバンド、客が全く動かない(動けない)で有名だ。実際、変なリズムが変化するばかりでのろうとしてもカクカクする。メンバーも最近のニューメタル等ののれ過ぎるバンドに反抗してか、「(客に)あまり動かないで欲しい」と言っていたほどだし、最新作も複雑なリズムと反復ものが増えたと思う。立ち尽くすのみ、かなりのひねくれ者だ。ステージ後方には巨大スクリーンが用意され、カラクリ人形のような非暴力的怪物(左右絵参照)が曲に合わせて反復を繰り返している。toolはというと、ステージ前方右にベース、前方左にギター、後方右にドラム、さらに後ろの左にヴォーカル、4人ともこのテリトリーから1メートルも動かない。ヴォーカルのメイナード、奴は後方巨大スクリーンの前に自分のスポットを設けて、かすかに見える程度で殆ど姿を現さない。ライトがあたらないのでシルエットが後ろにたまに写るが、いつも横向きで一番後ろから最後まで動くことはない。モヒカンが顔まできてしまったようなフェイスペインティング、動きはスクリーンに写る非暴力怪物のようにぎこちない奇妙な動き。存在自体が不条理ギャグのような感じもするが、そのバランスが絶妙。スマートで美しく説得力ある歌声と発狂したようなシャウトは凄いものが在る。コメディアンだったと聞いたことがあるが、toolの魅力の80%を握るキーマンだと思う。ギターのアダムは最初、そこら辺の日本人大学生をサポートに連れてきたんか?と思わせるほど普通のいでたち。そして、下を向いてストイックに弾き続ける間は、全く動かない。実は、ハリウッドの特殊効果の仕事でかなりのところまで成功していたらしく、後方スクリーン映像の作者でもある。ハードロック/ヘビーロックじみないセンスあるサウンドとプレイスタイルで、toolの影の立役者だと思う。ベースのジャスティンは、首が動くのでこの中で一番アクションのある奴だ。CDでは分かりづらいが、ライブではバンドの音が薄くなるときなどに効果的にエフェクターを使って補っているのが分かった。皆プロだ。ドラムのダニーは、何も言うことなく上手い。ドリームシアターと比較されてしまうのはこいつのせいだと思う。toolの曲表現方法の自由度をテクニックによって広げていると思う。この完璧で個性的な面子で、圧倒的な演奏をするのがtoolの凄さ、確かになかなか文句をつけようがない。
 途中で、同じ曲がまた始まった。と思ったら、最新PV Parabol / Parabolaをスクリーンで初公開してくれたみたいだった。10分くらいのこの作品、なぜかポーティスヘッドなどのブリストル系に影響を受けた黒人アーティストのトリッキーが主演であった。意味不明度はやはり充実していて、ギターのアダムがつくったものだと思う。toolband.com でストリーミング視聴できるので10分位時間のある人はどうぞ。クライマックスのCGは画面がでかいのもあって衝撃的だった。
 今回のライブは最新作のツアーの関係なので、前作「aenima」のクオリティーの高い曲をあまり演奏しなかったのが残念だった。学生時代コピーバンドでやったのが、H、Aenema、(-)Ions、Third Eye。Third Eyeだけはやって欲しかったがこの中でやったのは、Aenemeだけだった。でも、この圧倒的な演奏力は滅多に見ることはできないものだったと思う。宗教儀式的な雰囲気、不気味なスクリーンPV、普通とは違ったベクトルのエンターテイメント満載バンドだと思う。かなり満足した。

画像等拝借
http://www.toolband.com/  
http://www.dannycarey.org/ 
http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Bass/8785/